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 午後から学校へ。
 これから年度末に向けて,卒業式,学年末・学年始めの諸々など,またまた怒濤のように仕事が押し寄せてきます。専任教務のときは,計画を立てて職員にお願いをすればよかったのですが,今回はそうはいかないところがあります(前に兼任教務をしたときは,6年生の担任だったので卒業式に関しては自分のことをやって,あとはお願い…でした)送り出す立場でしかも5年担任。あれこれと役目がふくらんでしまいます…。この先,自転車操業のパンク状態になることが目に見えているので,ちょっと早めに仕事を進めておこうか…と柄にもないことを考えているわけです。

 ところが,またまた他の気になることができてしまいました。
 防備録の代わりに記録をしておきます。

 学校に着いたボクは,いつものように,準備運動代わりに「藍染めの液」の攪拌をするために教室棟に行って,作業を始めました。この液,冬休みからこの前まで「休眠」させていたのですが,先日から加温と保温を再開して復活させたところです。
 まずは,液の中で温度が下がってしまっている湯たんぽ(2Lのペットボトルにお湯を入れたもの)を引き上げて,中の水を捨てて熱いお湯に入れ替えたものを投入してやります。そのあと,さらに攪拌。すると,洗顔石けんをネットを使って泡立てたような深緑のきめ細やかな泡が立って,空気に触れているうちに藍色に変わってきます。その変化を眺めているだけで,なんだか心が癒やされてくるほどです。
 その作業をしながら,適温(25,6度)まで液の温度を上げるためにどうすればいいかと考えていたのですが,そのうちにちょっとした考えが頭に浮かんできたのです。考えが浮かんだというよりは,それまで点としてボクの頭の中にあったいくつかの知識がつながったという方が正確なのですが…。

 今年,「すくも」(藍の葉を発酵させた藍染めの原料)から液をつくる作業を見てきて,その管理の大変さがよく分かりました。また,染める作業自体も人手と手間がかかり,工場での大量生産には向かないということも…。それが江戸時代のように家々で機織りがされている状況での新しい布を染めたり,古着を染め直したりという作業には量的にもそれで間に合っていたのでしょうが…(いそがしいことのたとえとされている「紺屋の白袴」という言葉もありますが…)

 この前,来月のサークルでとりあげる《はじめての世界史》をどのように進めようかと考えながら授業書を読んでいたら,木綿の輸入のことが取りあげられていました。それを読んでいるうちに,以前に「阿波藩の藍の生産量の変遷」をグラフにしたことが再びボクの問題意識として大きくなってきました。このグラフは,2011年の仮説実験授業研究会の冬の徳島大会で発表したのですが,発表したあとに「藍で経済繁栄していた当時の徳島は,ベネチアのような存在だったと考えている。そのあたりを明らかにしてくれたらおもしろい研究になると思います」と声をかけてくださった方がいてうれしかったことも覚えています。
 このグラフを描いた頃,ボクが読んだ文献には,「ドイツで発明された化学染料の輸入をきっかけに藍の生産は衰退した」という内容の記述がありました。それを読んだときに,「それだけで,隆盛を極めた産業が一気に衰退するものなのだろうか?」とボクは逆に疑問をもちました。また,江戸時代後期に生産が盛んだったと思い込んでいたボクにとって,生産量が最も多かったのはそれよりもずっとあとの明治後半のことだということも驚きでした。そのことがきっかけでこのグラフを描いてみたのですが,それがどういうことによるものなのかはよくわからないままでした。そして,その後の慌ただしさのなかで,この問題はずっと棚上げしたままになっていたのです。

 ところが,ここ数日の間に,それが「産業形態や構造の変化」による需要と供給の問題ではないかということに思い至ったのです。そして,おそらく,ドイツでの化学染料の発明も,同様の背景があるのではないかという気がしています(あ,また広がっちゃった…(^_^;) でも,これもドイツの科学発達史とかかわってますね。《はじめての世界史》とやっぱり絡みます)。

 いそがしいときに限って,こういうおもしろいことが浮かんできてしまって,体に毒です。
 でも,山盛りの雑務よりも,自分の興味関心に基づいた道楽の方が絶対たのしいに決まっていますよね。こればっかりはやめられませんから。「たのしすぎて死んじゃう」というのはなんだか怖いけど,やっぱり憧れです。

 そうそう,ちょっといい和紙を藍で染めて,黒田さんの「小箱」に使うのもいいかも…なんて,今日改めて思いつきました。来週,子どもたちが染めをするので,そのついでにちょっとやってみようかと思います。
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